アメリカは中古住宅(とくに一戸建)の流通が盛んで、巨大な市場を形成している。戸建住宅の中には築100年以上のものもあり、大切に使って長く価値をもたせている。古い住宅にはそれなりにアンティークな価値があり、きれいに手入れが行き届いていれば、価値は下がらない。アメリカ人は、家をきれいに手入れするだけでなく、いろいろな付加価値を自分でつける。たとえば、庭にキャビンデッキを作るとか、リビングにバーカウンターを取り付けるとか、台所を新しいものに入れ替えるとか、ガレージのドア開閉器を機能の上のものにするとか、とにかく、器用にDIYで様々な日曜大工をおこなう。そのために、ホームセンターにはありとあらゆる商品が陳列している。Home DeptやLowe'sなどのホームセンターはアメリカで大手小売チェーンにランクされている。日本で似た形態のものはカインズ、ジョイフルホンダくらいか。アメリカ人が家を大切にし、よく手入れをするのは、手入れしてきれいにしていれば価値が落ちないためである。同じ間取りの同じ広さの家でも、10年くらい経つと手入れ次第で、値段が大部変わってくる。アメリカ人は土地を買うのではなくて、快適性を買うのである。よく手入れがされている家はそうでない家の倍くらいの値段になることもある。因みに日本では、10年も経つと、どんなきれいな家でも家の価値はほとんどなくなってしまい、土地代だけになってしまう。こうしたことが是正されない限りは日本で本当の意味でのDIY、Home Improvement(日本ではリフォームという)は発展しない。
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