私がニューヨークに住んでいたのは1990年代後半。日本のバブル崩壊で日米の勢いが逆転しはじめたときである。1980年代後半にもニューヨークに住んでいたので、この10年でいかにニューヨークが変わったかが実感できる。より安全で、きれいなニューヨークになった。毎年2-3回ニューヨークに訪れるが、この傾向は変わらず、いまでもより安全で、きれいになっている。地下鉄に落書きがなくなり、夜、一人で乗っても安全になった。これはジュリアーノ市長の貢献が大きい。小さい不具合をなくすことで大きな犯罪もなくなるという理論で、壊れた窓は放置しない、立小便は認めない、など町をきれいに安全に保つことにより、自然に犯罪がなくなるということを実証したのである。だから、ニューヨークはきれいになったし、犯罪も減っている。こうした傾向はあるのだが、あくまで、過去との比較であって、住んでいる人々の気持ちや心構えとは異なる。私はEastの56番地に住んでいたのだが、そのアパートは、24時間ガードマンが常駐し不審な人が入らないようになっていた。にもかかわらず、私の部屋の入り口の鍵はメインの他4ヶ所もついており、日米の安全に関する考え方の違いがわかったような気がした。ガードマンが常駐していても100%安全ではない。もし、進入者があったとしても、鍵が5ヶ所もついていればあきらめてくれる可能性が高い。こうした、2重3重の安全確保が常態なのである。自分の身は自分で守る。そのためには、知恵を働かすということかもしれない。
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