景気の悪いドイツ
まず第1回目のレポートは、日本と半々で住んでいるドイツについて話をしよう。ドイツはEUの中でも大国(GDPではNo.1)だが、2006年現在回復してきたとはいえ、病める大国だ。ベルリンの壁崩壊から東西ドイツ統合による建設ブームーバブルが終わり、1999年から不況にはいり、常にEUのなかにあってドイツだけがマイナス成長という状況が続いている。いまだに、西から東へ莫大な補助金を西の国民の負担でまかなわれており、東西統合の成果が本当に出てくるのはまだ、時間が掛かりそうで、ドイツは東ドイツという東西冷戦の負の遺産を引き継ぎ悪銭苦闘している状況といえる。ドイツのビジネスマンは自信喪失状態で、丁度バブルが弾けて低迷していた失われた10年の頃の日本の状態に似ている。過剰設備、過剰雇用状態が続いている。特に雇用に関しては、日本以上に社会主義よりであり、労働組合、労働委員会から賛同を得ないとレイオフなどはできない。しかも、レイオフする場合には勤続年数から計算された割増退職金を支払わなければならず、企業にとって大きな負担となる。こうした割増退職金の支払をソーシャルプランといっており、こうしたソーシャルプランがあるため、ドイツではなかなか工場閉鎖などの抜本的リストラ策が進んでいないのが実情で、コストだけみれば、ドイツは世界で1番賃金が高い国で、東欧にシフトすれば、賃金は10分の1以下になるが、ソーシャルプランがあるために、なかなか既存工場を閉鎖し新たに東欧の新規工場を建てるということがペイしにくくなっている。既存工場閉鎖には数十億円のソーシャルプランがかかり、なかなかそこまでの特損を出して大胆にリストラするまでには至っていないというのが、ドイツの状況だ。
ドイツでの生活は、ビジネス程悪くはない。なんといっても物価が安い。VATがものによって、数%から十数%と高いにもかかわらず、物価が安い。食べ物の値段はだいたい東京の半分程度で、衣料も安い。また、高齢化、少子化が進んでおり、子供の居ない老夫婦の数も多い。ドイツ人はイギリス人と同じくらい食生活は質素で、コールドミールー冷たい食事、ハムとかチーズとかで、朝、夕食がコールドミールで、ほとんどキッチンが汚れない。また、日本と違い東京集中のような状況がなく、各地分散しており、しかも、国土のほとんどが平地であるので、ゆったりしており、土地や住居費が安い。
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